ハウスメーカーの違いを徹底解説!大手8社の特徴と選び方のコツ

構造・価格・性能別ハウスメーカーの違い 不動産

「どのハウスメーカーを選べばいいのか分からない」

「カタログを見ても、結局どこも同じように見えてしまう」

そのように感じていませんか?

似ているように見えるハウスメーカーも「構造・工法」「住宅性能」などによって、中身は大きく異なります。

各社の特徴を知らずに、雰囲気だけで選んでしまうと「想定より冬場が寒い」「メンテナンスの手間が多い」といった後悔に繋がりかねません。

本記事では、目的ごとのハウスメーカー選びのコツや、大手ハウスメーカー8社の違いを解説します。

各社の違いが明確になり、ハウスメーカー選びがしやすくなるので、ぜひ最後まで記事をご覧ください。

ハウスメーカー選びで重視すべき4つの違い

ハウスメーカー選びで重視すべき違い4選

ハウスメーカーを選ぶ際は、以下4つの違いに注目するのがおすすめです。

  • 構造や工法による違い価格
  • 価格やグレードによる違い
  • デザイン性や住宅性能による違い
  • 保証やアフターフォローによる違い

それぞれについて詳しく解説します。

構造や工法による違い

ハウスメーカーを選ぶ際には、家の構造ごとの違いや、各社が独自に開発した工法による違いを把握しましょう。

従来の住宅業界では「間取りを自由に変えるなら木造」「地震への強度を求めるなら鉄骨造」というのが一般的な常識でした。

しかし、現在は技術の進歩により、家づくりの常識も大きく変化しています。

たとえば、木造であっても最新の技術を使えば、鉄骨造並みの強度のある家を作ることが可能です。

住友林業の「BF(ビッグフレーム)構法」が代表例で、木造の温かみを残しながら、地震に強い家づくりを実現できます。

鉄骨造の家も進化しており、大和ハウスの独自技術「xevoΣ(ジーヴォシグマ)」では、大空間の間取りと耐震性を両立させています。

「木造か鉄骨か」という単純な比較だけではなく、各メーカーが技術によってどう弱点を克服しているのか注目しましょう。

価格やグレードによる違い

ハウスメーカーで作る家の価格帯は、坪単価40万円台から100万円以上と幅広いのが特徴です。

価格帯は「ハイコスト」「ミドルコスト」「ローコスト」の3つに分かれ、以下の特徴があります。

項目ローコストミドルコストハイコスト
価格帯(坪単価)45~65万円65~85万円85万円超
住宅性能(耐震性・断熱性など)△(一定水準)◯(高性能)◎(最高水準)
設計の自由度△(画一的)◯(自由な設計をしやすい)◎(完全な自由設計ができる)
設備のグレード△(最低限)◯(中〜高水準)◎(最高水準)
デザイン性△(画一的)◯(自分好みのデザインにしやすい)◎(非常に高く、建築家とのコラボもあり)

ローコスト帯のメーカーは、建築費用を抑えられるのがメリットです。
ただし、住宅性能や設計の自由度は、他の価格帯に比べると劣る傾向にあります。

ミドルコスト帯のメーカーは、価格と住宅性能のバランスの取れた設計ができるのがメリットです。

ハイコスト帯のメーカーは、高い設計自由度に加え、災害への強さや長期的な資産価値を重視しています。
一方で住宅性能や自由度が高い分、坪単価が100万円を超えることも珍しくありません。

予算を決める際は「将来的な安心感や設計の自由度に、どこまでお金をかけるか」という視点を持つことが重要です。

デザイン性や住宅性能による違い

デザイン性や住宅性能においても、各メーカーごとに大きな違いがあります。

▼デザイン性による違いの例

メーカー名特徴
大和ハウス天井高2m72cmの開放感ある空間設計
住友林業木造でも大きな窓のある家づくり
三井ホーム海外の邸宅のような洋風デザイン

▼住宅性能(耐震性や断熱性など)による違いの例

メーカー名特徴
一条工務店一年中快適な温度を保つための断熱・気密性能
パナソニックホームズ家中の空気をきれいに保つ全館空調システム
ヘーベルハウス鉄骨とALCコンクリートを組み合わせた、都市型災害に強い設計

デザイン性や住宅性能において何を最優先にしたいか整理し、理想を叶える強みをもったハウスメーカーを選びましょう。

 保証やアフターフォローによる違い

家は建てて終わりではなく、入居後の数十年の暮らしまで見据えなければなりません。

そのため、入居後のサポート体制もメーカー選びにおける重要な比較材料です。

「住宅の品質確保の促進等に関する法律」では、構造や雨漏りに関する不具合について、新築住宅の引き渡しから10年間保証することが義務付けられています。

大手ハウスメーカーの中には、独自の保証を上乗せし「初期保証30年」「最長60年保証」といった手厚いサポートを用意していることがあります。
そのため、万が一のトラブルも保証の範囲内で対処したいのであれば、大手ハウスメーカーで家を建てるのがおすすめです。

ただし、注意が必要なのは「保証の条件」です。
多くのハウスメーカーでは、長期間の保証を受けるために「定期的にメーカー指定の有償メンテナンスを受けること」を条件としています。

「60年保証」という言葉だけで安心するのではなく「保証を延長するための条件は何か」まで確認しましょう。

大手ハウスメーカー8社の特徴や違い

大手ハウスメーカー8社の特徴と違い

以下の表に、大手ハウスメーカー8社の特徴や強みについてまとめました。

メーカー名主な構造強みおすすめな人
積水ハウス鉄骨造
木造
・耐久性の高い外壁「ダインコンクリート」「ベルバーン」
・独自の制震構造「シーカス」
・累積建築戸数世界一の実績
・邸宅のような高級感を求める人
・長期的な安心とブランド力を重視する人
住友林業木造・「BF(ビックフレーム)構法」による大空間
・最大幅7.1mの窓、大開口リビング
・銘木を使った内装デザイン
・木の温かみと質感を重視したい人
・広いリビングや大窓を作りたい人
ヘーベルハウス鉄骨造・耐火、断熱、遮音性能の高い建材「ヘーベル」
・都市型災害に強い要塞のような堅牢さ
・3・4階の建築や狭小土地の活用
・地震、火災への強さを最優先にしたい人
・頑丈なシェルターのような家が欲しい人
一条工務店木造・業界トップクラスの「断熱性、気密性」
・全館床暖房などがほぼ標準仕様
・自社グループ工場生産による高コスパ
・夏は涼しく、冬は暖かい家で暮らしたい人
・光熱費などのランニングコストを抑えたい人
パナソニックホームズ鉄骨造・光触媒タイル外壁「キラテック」(セルフクリーニング)
・全館空調「エアロハス」(地熱活用、空気浄化)
・飛行機や高層ビル技術を応用した構造
・外壁のメンテナンスの手間を減らしたい人
・最新技術で快適な空気環境を作りたい人
大和ハウス鉄骨造
木造
・主力商品「xevoΣ」による天井高2m72cm
・エネルギー吸収型耐力壁「D-NΣQST」
・柱の少ない「グランフル空間」
・天井が高く開放感のあるリビングで暮らしたい人
・地震への強さを求める人
セキスイハイム鉄骨造
木造
・「ユニット工法」で大部分を工場生産(品質均一)
・床下空間を利用した空調「快適エアリー」
・雨に濡れず短工期で完成
・職人の腕に左右されない品質を求める人
・足元から暖かい快適な環境が欲しい人
三井ホーム木造・おしゃれな洋風、モダンデザイン
・全館空調「スマートブリーズ」
・ダブルシールドパネルやトラスフロア等の独自構造
・デザインやインテリアにこだわりたい人
・ホテルのような空調環境で暮らしたい人

積水ハウス:圧倒的な実績とデザイン力

積水ハウスイメージ画像

画像出所:積水ハウス 公式HP

積水ハウスは、世界一の累積建築戸数(約270万戸超)を誇る住宅メーカーです。

鉄骨造と木造の両方でトップクラスの技術を持ち、デザイン性・住宅性能・ブランド力のバランスが優れています。

大きな特徴は、外壁へのこだわりです。
コンクリート外壁「ダインコンクリート」や、陶器と同じ素材で作られた「ベルバーン」は、重厚感に加えて耐久性が高く、長期間美しい外観を保てます。

また、安全面でも妥協はありません。
独自の制震構造「シーカス」を導入しており、地震の揺れを熱エネルギーに変えて吸収することで、建物の変形を最小限に抑えます。

価格は高めですが、邸宅のような高級感と長期的な安心を手に入れたい人におすすめのハウスメーカーです。

住友林業:木の質感と設計力へのこだわり

住友林業イメージ画像

画像出所:住友林業 公式HP

住友林業は、自社で森林を保有するほど木材にこだわりを持つ、木造住宅のトップメーカーです。

木を知り尽くしたプロならではの銘木を使った内装や、木の温かみを感じるデザインに定評があります。

技術面での大きな特徴は、「BF(ビッグフレーム)構法」です。

BF構法とは、幅560mmという巨大な柱と強力な金属接合を使うことで、従来の木造住宅では難しかった大空間を実現する技術です。
最大で幅7.1mの窓を作ることができ、開放的なリビング作りが可能になります。

また、世界中に木材の調達ネットワークを持っているため、世界的な資材不足の際にも価格や供給を安定させられるのも魅力です。

「高品質で大空間のある木造の家に住みたい」という人に向いているハウスメーカーです。

ヘーベルハウス:地震や災害に屈しない強度

ヘーベルハウスイメージ画像

画像出所:ヘーベルハウス 公式HP

ヘーベルハウス(旭化成ホームズ)は、鉄骨と「ヘーベル(ALCコンクリート)」を組み合わせた頑丈な家づくりが特徴です。

独自の建材「ヘーベル」は、耐火性・断熱性・遮音性に優れており、火災や騒音から家族を守るシェルターのような役割を果たします。

また、ヘーベル自体の耐久性が高いため、メンテナンスの手間も少なく済みます。

災害時の復旧サポート体制も充実しており「地震や火事に強い、頑丈な家を建てたい」と、考えている人におすすめです。

一条工務店:極めて高い断熱・気密性能

一条工務店イメージ画像

画像出所:一条工務店 公式HP

一条工務店は「家は、性能」というスローガンを掲げ、高性能な家づくりにこだわり続けています。

大きな特徴は、モデルハウスの仕様がほぼ標準仕様であることです。
高性能なキッチンや全館床暖房などが最初から組み込まれているため、オプション費用が大きく膨らむ心配が少なく済みます。

また、自社グループ工場で断熱材や窓などを生産することで、高性能とコストダウンを両立しています。

高性能ウレタンフォームによる断熱など、外気の影響を受けにくい構造になっているため「冬は暖かく、夏は涼しい家で光熱費を抑えたい」という人におすすめです。

パナソニックホームズ:美しさが続く外壁と技術力

パナソニックホームズイメージ画像

画像出所:パナソニックホームズ 公式HP

パナソニックホームズは、家電メーカーのパナソニックグループとしての技術力を活かした家づくりが得意です。

人気なのが、光触媒タイル外壁「キラテック」です。
太陽光で汚れを浮かして雨で洗い流す「セルフクリーニング効果」があるため、塗り替えなどのメンテナンスがほとんどいりません。

また、全館空調システム「エアロハス」は、地熱を有効活用しつつ高性能フィルターで空気を浄化するため、省エネで清潔な空気環境を実現できます。

加えて、高層ビルの建築技術を応用した鉄骨構造により、地震に強い家づくりも可能です。

「メンテナンスの手間を減らしたい」「最新の技術で快適に暮らしたい」という人に向いたハウスメーカーです。

大和ハウス:開放的な天井高と総合提案力

大和ハウスイメージ画像

画像出所:大和ハウス 公式HP

大和ハウスは、土地探しからアフターサポートまで総合的な提案力が高いハウスメーカーです。

主力商品の「xevoΣ(ジーヴォシグマ)」は、天井の高さと家の強度を両立させています。
一般的な住宅の天井高よりも高い「2m72cm」を標準とし、さらに床を下げたり天井を上げたりすることで、開放的な空間作りが可能です。

また、柱や壁の少ない部屋作りができるので、より開放感のあるリビングで休日を過ごせます。

大空間作りを支えているのが、エネルギー吸収型耐力壁「D-NΣQST(ディーネクスト)」です。
地震のエネルギーを吸収する特殊な構造により、繰り返し発生する地震から建物を守り続けます。

「開放感のある広いリビング」と「地震への強さ」の両方を求める人におすすめです。

セキスイハイム:工場生産による高品質で快適な空調

セキスイハイムイメージ画像

画像出所:セキスイハイム 公式HP

家づくりの大部分を屋根のある工場で行う「ユニット工法」が、セキスイハイムの大きな特徴です。

工場内の大型機械で精密に作られるため品質のバラつきが少なく、雨天による工期遅延もないため、短期間での家づくりが可能です。

断熱材を工場で隙間なく充填できるため、設計どおりの高い断熱性能を発揮します。

断熱性能に加え、床下の空間を利用した空調システム「快適エアリー」を組み合わせることで、家全体を足元から暖めたり冷やしたりできます。

「職人の腕に左右されない高品質な家が欲しい」「工期を短くしたい」という人に向いているハウスメーカーです。

三井ホーム:優雅な洋風デザインと全館空調

三井ホームイメージ画像

画像出所:三井ホーム 公式HP

三井ホームは、北米生まれの「ツーバイフォー工法」を日本向けに進化させたハウスメーカーです。

建築家やインテリアコーディネーターと連携しているため、洋風・クラシック・モダンのジャンルで、デザイン性の高い家づくりが可能です。

また、全館空調システム「スマートブリーズ」によって、効率よく家の中の空気を循環させ、快適な温度や湿度の中で1日を過ごせます。

加えて、屋根自体が熱を遮断する独自の断熱パネル「ダブルシールドパネル」により、空調効率がさらに良くなります。

「デザインにこだわりたい」「ホテルのような快適な空調環境で暮らしたい」という人におすすめのハウスメーカーです。

4つの目的別:おすすめのハウスメーカー

目的別:ハウスメーカー選びのコツ

以下4つの目的に応じた、おすすめのハウスメーカーを紹介します。

  • 地震や災害への強さを最優先する
  • 快適な温熱環境を求める
  • おしゃれなデザインや木の質感にこだわる
  • メンテナンスの手間や出費を減らす

地震や災害への強さを最優先する

「災害に強い家で、安心して住み続けたい」と考えるなら、ヘーベルハウス・大和ハウス・積水ハウスなど鉄骨系のハウスメーカーがおすすめです。

鉄骨系のハウスメーカーは、巨大地震に耐えるだけでなく余震によるダメージを軽減する「制震技術」「持続型耐震」に力を入れています。

また、火災に強い外壁材や被災後の復旧サポート体制も整っているため、万が一の際の安心感に優れています。

快適な温熱環境を求める

「家では薄着で過ごしたい」「光熱費を抑えたい」という場合は、一条工務店・セキスイハイム・三井ホームなどの高気密・高断熱な家づくりが得意なハウスメーカーを選びましょう。

高気密・高断熱な家は、建物構造自体が熱を逃がさない作りになっています。

全館空調システムとセットで設計されているため、家の中を快適な温度のまま保つことができます。

おしゃれなデザインや木の質感にこだわる

「カフェのようなおしゃれな家にしたい」「木の温もりを感じたい」という人には、住友林業・積水ハウス・三井ホームがおすすめです。

最新の木造技術や設計力により、木造住宅の弱点だった壁や柱の多さを克服し、鉄骨造並みの大空間を作れます。

また、規格化された間取りではなく、設計士と相談しながら自由にプランを決められるため、デザインにこだわりやすい点が特徴です。

メンテナンスの手間や出費を減らす

「家を建てた後の出費を減らしたい」「外壁の塗り替えは面倒」と考えるなら、パナソニックホームズ・積水ハウス・ヘーベルハウスがおすすめです。

一般的な塗装外壁に比べて劣化しにくい外壁や建材を使用しているため、数十年という長いスパンで見ると、メンテナンスの手間や費用を抑えやすいです。

初期費用が高めなのがネックですが、自然災害に強く、快適に住み続けられる家が手に入ります。

まとめ

この記事のまとめ

本記事の内容についてまとめます。

  • ハウスメーカー選びは「構造や工法」「住宅性能」などの違いを把握することが重要
  • 価格帯(ローコスト・ミドルコスト・ハイコスト)ごとの特徴やグレードの違いを理解して、予算を決定するのがおすすめ
  • 自身の目的によっておすすめハウスメーカーは変わる

家づくりは人生で最も大きな買い物の一つのため、ハウスメーカーごとの違いを十分に把握する必要があります。

気になるハウスメーカーが見つかったら、展示場やの見学などを通じて各社の違いを体感するのがおすすめです。

十分にハウスメーカーの担当者と話し合い、納得のいく家づくりをしましょう。

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